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あれは中学一年生の頃だったか。
先生が生徒に向かって質問をした――「人生で何を一番重要視するか」
「お金だと思う人」——一番多く手が上がったと思う。やはり先立つものが無ければ。
「愛だと思う人は?」——ちらほら手が上がる。たかだか中学一年生のくせに本能的に愛を求めるのは生き物のサガか。承認欲求が満たされるという意味合いも大きいだろう。
「仕事の人?」——人は老齢になるまで仕事を行う。人生の大半は仕事と言っても過言ではない。必然的に重要となる。
「趣味が大事だと思う人は」——意外といた。人生のレールの中でもやはり「張り合い」がなければ、というところか。
「健康だと思う人?」——1人だけ、手が上がった。そう、僕だ。
仕事も金も趣味も大事だが、それは健康な事が前提だ。
ましてや健全な一般的中学一年生であれば、それほど健康について思い悩む事も無いし、健康を欲する事も無いだろう。
しかし、健康が無ければ何も手に入れる事は出来ないのだ。健康が既に手中にあるからこそ更なる健康を欲す事は無いだけであって、何をするにも大前提として健康が必要となる。お金を稼ぐにも、恋愛をするにも、仕事をするにも、趣味を満喫するにも、健康は必須だ。
そんな冷めたクソガキだった橋本少年も立派な青年になった。
バンドマンとしてツアーをし、打ち上げでは大量の酒を浴び、恐ろしい量のタバコを吸い、不摂生を極め、食生活は乱れ、生活リズムは逆転した。
健康が第一と言っていた彼はどこへ行ってしまったのか?
そんな彼は今ではインドカレーを作ったりオルゴールサウンドを作ったりしながら隠居生活をしているらしい。
不摂生を極めていた彼もどこへ行ってしまったのか?
そして、ふと、健康診断を受けてみたいなと思い立つわけである。
「バンドマンの対義語は何か」と聞かれれば、「健康診断」というのはひとつの解となるかもしれない。
ボロボロだったらどうしよう。いや、逆に全く正常だったら…?ブラックボックスの中を開けてみる時が来た。ブラックボックスの中身を見る勇気はあるか。
#1:健康診断、どうやって受けるの?
健康診断はこの人生において2回程度しか受けたことが無い。
高校を卒業し、当時はアルバイトだったが、会社の福利厚生の一環として年に1回本社にレントゲンの取れるバスが来て、会議室が健康診断会場となったものだ。懐かしい。
さて、そういった制度の恩恵の無い今、僕は自分で国民健康保険を使って健康診断を受けに行くことになる。
とはいえ正直よく分からんので、「健康診断」で検索する。
一番上に出てきたのは「全国健康保険協会」の「検診のご案内」。
ページを見るとそれっぽい案内が出てくるが、こういうサイトって分かりやすいけど分かりにくいね。閲覧には最低限の知識が必要であるが、作成者はその知識を最初から持ち合わせているためその溝が理解できない。
どうやら年齢によって受けられる内容(=健康保険が適用される項目)に違いがあるようで。一口に健康診断と言っても色々な種類があった。
健康診断の種類
①労働安全衛生法に基づく健康診断
一般的に健康診断、健診と言われるのはこちらとなる。
一定の労働条件を満たしたアルバイトを含む労働者に対して事業者が実施するもので、事業者は年1の実施が義務付けられている。また、労働者も健康診断を受ける義務があり、事業者・労働者双方の義務となっている。
費用は事業者持ち。オプション検査等は対象外。
②特定健康診査(特定健診)
生活習慣病を防ぐために行われるもので、40歳以上75歳未満が対象。
年1の受診が推奨されており、メタボリックシンドロームや生活習慣病予防のために行われる。
③人間ドック
任意で受けるものであり、法的義務は無い。また、保険適用外となる。
高額ではあるが、通常の検診では見つけられない病気の早期発見・早期治療を行う事も出来る。
どれを受けるか
過去に僕が受けていたものは「①労働安全衛生法に基づく健康診断」だったと判明した。
「②特定健診」は年齢的に及ばない。「③人間ドック」はとても興味があるが、結構高額。まぁ健康がチェック出来る上、ほったらかしにして悪化した場合の費用と比較して考えれば安い投資であるが。
というわけで、①と③を受けるためにどうしたらいいのかを考えていきたい。今回は健康診断にフォーカスし、人間ドックについてはまた別記事で後日。1つやりたい事が増えた。
健診を受けたい
さて、全国健康保険協会のサイトへと戻る。
「(1)一般健診」「(2)付加健診」、その他女性特有の検診等があるが、この(1)と(2)について見ていく。
(1)一般健診は35歳~74歳が対象。あれ、受けれないじゃん…?
(2)付加健診は40歳、もしくは50歳の人を対象とし、更に検査項目を増やしたもの。
過去に受けた物がこの「(1)一般健診」に当たると思ったが、年齢表記を見る限り全国健康保険協会からは進めなさそうだ。
定期健康診断
調べていくうちに一つのワードへとたどり着いた。
「定期健康診断」だ。
これがいわゆる年1回受ける「①労働安全衛生法に基づく健康診断」に当たるようで。
各種医療機関・健診期間が行っており、費用は安いと5,000円~高くても1万円台となる。立地によっても違いそうだ。
定期健康診断の内容
こちらは労働省令第三十二号「労働安全衛生規則」の第四十四条に定められている。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
- 胸部エックス線検査及び喀痰検査
- 血圧の測定
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査
- 心電図検査
一部、医師が必要でないと認める時に省略可能な項目もあるが、基本的にはこの11個の項目を受診する事になる。
そうそう、過去に受けたのはこんな感じだった気がする。
フリーランスと健康診断
なお、フリーランスは経費計上が出来ない。実際に病気の治療であれば「医療費」として経費となるが、予防のための通院は経費にならないのだ。なんとかこねくり回せばいけそうな気がするが、おすすめはしない。
まぁもしも動けなくなったら稼げなくなるので、必要な投資として考えれば良い。
定期健康診断を行える場所を検索する
今度は「定期健康診断」で検索すると結構な数の医療機関が出てくる。ここに地名も入れれば、更にたくさん。
定期健康診断の項目が同一な以上、正直どこで受診しても変わらない。
が、何となく都会にある医療機関の方が良いのではないかと錯覚してしまう。
あとはアクセスの利便性だったりフロアの清潔感や口コミなどで判断すれば良いと思う。いずれにしても「健診そのものが杜撰だった」という事はほぼ無いだろう。
#2:予約をしてみる
実際に予約を行う。名古屋市内で機関を探す。行う健診内容に違いはないので、人件費や立地、設備の綺麗さとかそういう部分での差になる。
いくつか比較をしたが、やはり綺麗な所の方が惹かれてしまうのは事実。むしろ健診内容に差が無いのでそういった部分が重視される。他にはアクセスの利便性だったり、なんとなく院長の顔や経歴を見たり。
電話or予約フォーム
予約は電話で行った。
予約に関してはどのサイトもフォームが充実しており、必要事項を入力⇒送信が出来るようになっていた。
ただし自分の場合は一部入力に困る項目があったり聞きたい項目もあったため、電話を選んだ。
また、結局フォームでは予約確定には至らず、結局何かしらの手段で追って連絡が来るとの説明が付記されていることがほとんどだった。
僕はあまり電話が好きではないが、電話以上に二度手間の方が嫌いであるため、電話にて諸々聞いてみながら予約を完了した。
予約完了
受けたい健診のコースや保険の種類、予約したい日時等を伝え、予約は完了した。
数日中に自宅に資料が届くらしい。
#3:準備をする
数日後、封筒が自宅に届いた。
早速開封する。
ちょっと厚みがある。こういうツールキットのようなものを開封するのってワクワクする。しない?
まぁ厚みがあるのは恐らく検尿のためのキットが入っているせいなんだけど。
中には健診内容の案内や注意事項の説明書き・問診票・検尿のための容器・他の検診のお知らせ(チラシ)が入っていた。
健康診断の案内
今回受けるのは一般的な定期健康診断。
検査項目もごくごく一般的なものだが、当日には問診票や尿を忘れないようにしないといけない。
お知らせの中には新型コロナウイルスに関する対策の記述もあり、騒ぎは随分と下火になったとは言えまだまだ大きな余波を感じる。
個人情報の取扱いについての書類もある。こういった書類は字が細かくて読み飛ばしてしまう人も多いだろうし、まぁ内容として変な事は書いていないのだが、普段から読むクセを付けて苦手意識を無くしておいた方が得をする事がある。
健康診断問診票・業務歴調査問診票
問診票に関しては既往歴や生活習慣に関する質問に答えていくだけ。「運動していますか?」とか。
自覚する症状欄は特に無し。自分が鈍く気付いていないだけで、もしかしたら何かあるかもしれない。
家族歴の部分には両親ともに癌に罹っていたので、マークする。
色々検査したい理由として、それもある。癌のリスクが遺伝子に左右されるのであれば、僕もリスクは大きいと言える。
今回の健康診断は精密な検査はなく、そういった部分が分かるものでは無い。今後さらに緻密な検査も受けていきたいと思っていて、とりあえず第一段階として今回の検診をするに至ったという。
検査注意事項
前日・当日の注意事項の説明などもある。
今回は食事の制限だけ気を付ける必要があるが、健診を受けるのは午後のため、前日の食事制限は特に無い。
当日朝の食事は午前7時までに軽く済ませておくよう記述があるが、まずそんな時間に起きていないため、当日は断食である。
検査が終わったら焼肉でも爆食いしようと思う。
他の検査の案内も豊富。カラーで見やすい。
当日急に付けたくなっても対応できるようなオプションも数多くあり、興味をそそる。
正直、全部受けてみたい。全部気になる。
まぁでも追加検査は追々として、取り急ぎベーシックな検査を行う。
#4:検査当日
採血があるので食事制限がある。
午前の診察ならば前日夜から食事制限があるが、午後の診察の場合は前日の食事制限は無い。ただし当日は朝7時までに食事を終えてくれとの事なので、もちろんそんな早朝から活動していない僕の本日はプチ断食となる。
水は飲んで良いらしい。
とりあえず朝一で採尿を行う。
あとは空腹をどうにかこうにか紛らわせながら、その時を待つ。
ミッドタウンクリニック名駅
今回予約したのは名古屋駅すぐそばにある「ミッドタウンクリニック名駅」。
愛知県外の人からすると「名駅(めいえき)」って言葉には違和感があるらしい。名古屋の駅だから「名駅(なえき)」だろうと。まぁ言い分は分からなくもない。
ちなみに名古屋駅周辺の地名は中村区名駅(めいえき)。1丁目から5丁目までがあり、地名がもう名駅なのである。名駅にある名古屋駅、ということになる。
そう、「名駅」はただの若者の略語ではなく、歴とした公式表記ということだ。
ちなみに同様の表現として「名古屋城」⇒「名城」、「名古屋港」⇒「名港」も存在する。いずれも「名」は「な」ではなく「めい」と読み、「名城」は「めいじょう」、「名港」は「めいこう」となる。
やや脱線したが、ミッドタウンクリニック名駅はJR名古屋駅から直結のJPタワー内にある施設。
医療法人社団進興会が運営、人間ドックや健康診断に特化したクリニックとなっている。
公式サイトを見てもらうと分かる通り、内装は非常にシックで落ち着いた雰囲気。
何でもデザインは丹青社が手掛けたとか。丹青社は商業施設内のイベント会場などの没入感とストーリー性のある魅力的な建築が特徴の空間デザイナー事業である。
JPタワー
JPタワーは2017年に創業、比較的新しい建造物となる。
JPタワーは名駅からやや北に位置するため、中々用事が無いと行かない場所ではある。その分、ちょっとした穴場のようなショップもある。
地下1階から3階までは商業施設「KITTE名古屋」となっており、5階から39階まではオフィスフロアとなっている。
こちらは2階からの眺め。3階までの吹き抜けだが、明る過ぎず大人っぽい落ち着いた印象。ちょっと入るのが場違いに感じちゃいそうなくらい。あまり学生向けではなく、制服で入ると完全に浮くと思われる。
行ってみる
まずは普通にJPタワー内商業施設KITTEへ潜入。
連絡通路から来ると2階、屋外から入れば1階からスタート。2階にある専用エレベーターで5階へ行けば到着だ。
少しだけ道が分かりづらい。ちょっと早めに来て正解だった。
以降、クリニック内の写真はすべて公式サイトのものとなる。クリニック内はプライバシー遵守のため撮影は禁止となっている。
賑わっていたKITTEを離れ、オフィスフロア方面のエレベーターホールを使用する事になる。急にシンとした空気となり、なんだか緊張してしまう。
5階に到着しエレベーターホールを出ると、左右に長い廊下が。まるでラグジュアリーなホテルのよう。
壁はマットな黒に間接照明と白いシンプルなテキストが良いコントラスト。
まずは健診のフロアと人間ドックのフロアで分岐しており、健診の受付の後で男性用・女性用で更に分岐して割り振られる。
健診の受付はさながらホテルの受付、チェックインみたいだ。
横長の受付では同時に8人ほどがスタンバイ。テキパキと捌かれていくのを見守り、自分の番を待つ。
患者は何だか皆デキるエリートみたいな方が多い。誤解を招きそうな言い方だが的確に言葉を選ばずに言うならば、男性も女性も良い暮らしをしてそうな見た目の人が多い。
自分のような社会の外れ者が来て大丈夫なんだろうか、と思ってしまう。まぁ別にドレスコードも入館制限も無いので別段気にしないが。一周回って逆に周囲から見た僕はなんか凄い人に見えてるのかもしれない。そう考えるとそれはそれで少し楽しい。
そういった周囲の目が気になる人は少し気になってしまう環境なのかもしれない。
受付の後は左の扉が男性、右の扉が女性という感じで次のフロアへ。
次の検診項目が表示されたICカードのようなものを持たされ、椅子の並んだメインフロアで待つ。
そんなに緊張感もなく過ごす事が出来る。
病院のように白色しかないと却って緊張してしまう。その点、ここはある意味で健診っぽさの無い空間となっている。
ICカード(のようなもの)には次に受ける検診項目が大きく記載されていて、その下には受ける項目すべてが載っている。
それぞれの項目を受けた後、機械にタッチするとこのカードの表記内容が変わるのだ。別にそんなにハイテクじゃないはずなのに「おおー」となった。
健診
血圧測定
なんせ父方の家系が高血圧でね。漬物、みそ汁が大好きで。
父も高血圧で血圧を下げる薬を飲んでたっけな。なので醤油や塩の量には気を使っている。味気なくならない程度に、濃い味に慣れないように。
血圧の結果はその場で見える。上も下も問題無し。
「おおー、良い脈してますね」と言われたんだけど、こんな時はどんなリアクションが正解なんだろう。とりあえずヘラヘラしておいた。
身長・体重
身長を測るとき、自動で上からウイーンと降りてきて頭に接触する。昔は人力で動かしていたものじゃ。懐かしいのう。
これ、なんとなく頭をグッと押されてしまって縮んでしまう感覚がするのがちょっと嫌なんだよね。絶対普段より低めに計測されてる。いや、全員押さえつけられているのであれば、ある意味で平等か。
同時に体重も計られている。腹囲も測られるなどして完了。
視力検査
視力検査は免許更新以来だ。実は両目裸眼であり、メガネもコンタクトレンズも普段は着用しない。
しかしパソコンを凝視することが多く、目は確実に酷使している。昔は良かった視力も徐々に悪くなりつつある気がする。
視力検査の機械は最近は自動で片目が隠れてくれたりするのがすっかり主流になった。「この機械の操作を一回で良いからしてみたいな」と小学生の頃から思っているが、未だ願いは叶っていない。
結構自信満々で進めていたのだが、その場で言われた結果は意外と悪かった気がする。地味にショック。
聴力検査
聴力検査に関しては自身がある。というか簡単なくらい。
音楽をやっていた分、耳に負荷をかける事が多かった。ライブハウスでは爆音が流れ、レコーディングでも音の細部を聞くためになるべく音の解像度が高い方が良い。小さなノイズを見つけるためには、やはり音量を大きくする必要がある。
ライブハウスでも基本的には耳栓を愛用して耳を労わるようにはしており、またレコーディング等を繰り返す事で音の聴き分けは多く行っているため可聴域は人より広いはずである。
こちらはパーフェクトの自信がある。
とは言え、視力検査と違って聴こえなかったら音の存在を認知できないわけだから、聴こえてなくてもパーフェクトだと思っている、ということになる。
そう考えたらちょっと不安になってきた。
心電図検査
ベッドに横になり、服をまくり、なんか色々と付けられて待機。
程なくして終了。これは結果を見ないと何とも分からないので結果待ち。
胸部エックス線検査
機械に胸を押し当てて、変なポーズを取り、息を止めてストップ。
エックス線を撮るときの基本動作だから何もおかしくないんだけど、毎回アメリカ軍とか何かそういう海外の警察とかが犯人に抵抗させないために言っているセリフみたいでじわじわしている。
「動くな!」「そう、そのまま後ろを向いて…」「壁にくっついて手を上げろ」みたいな。考えすぎか。ちゃんと検査に集中して。
血液検査
左腕に注射針を刺し、3本分の容器に血を抜く。
注射針が刺される瞬間を見るのも血が抜けていくのを見るのも平気なタイプなのでずっと血が減っていく様を見続ける。
それは良いんだけど、その間なんとなく気まずい。
僕は別に無言の空間は平気なので、逆に採血担当者に対して「この人、喋らなくても大丈夫なタイプなんかな」など考える。
無言がダメな人ってこういう時でも何か喋るんだろうか。「血って案外真っ赤じゃないんですねー」「僕の血管刺しやすいですか?」とか?知らんけど。
検査終了
無事に検査が終わる。
30分も経っていない。テキパキと進み、ササっと終了。
採血の跡。特に色が変わったり等も無い。
血管が見えにくい人だと何度もぶっ刺されると聞く。
結果を待つ
結果は3週間くらいで自宅に郵送されてくるらしい。
検査中に自分でも結果が分かる項目もあったが、心電図や血液・尿検査などは結果を見ないと何とも言えない部分。
ほんの少しの不安とワクワクとドキドキと。結果が来るのを心待ちにしている。
ワクワクって何?
#5:診断結果
首を長くして待つこと数週間。診断結果が郵送されてきた。
結果が届くのには3週間ほど、と言っていたが、ほんのり早く到着した。
早速開封し、結果を確認する。
結果を見せるの、なんか全裸を見られるよりも恥ずかしい気分になる。ある意味全裸よりも裸な気がする。全裸よりも裸…?
内容物はこんな感じ。
健診の結果報告書と用語の解説が載ったハンドブック。
このハンドブックが地味に便利だった。
せっかく健診を受けても数値を理解出来なければ意味が薄れてしまう。精密な説明では無かったが、補足資料として十分良い物だった。
精密に語ればもっと分厚くなってしまい読まれなくなるだろうし、これくらいのふんわりとした補足説明程度で十分だと思われる。
評価・判定について
なお、評価は7段階ある。
- A…異常無し
- B…軽度異常
- C…再検査
- D…要精検
- E…治療中
- F…要治療
- G…判定不能
このうち、まずはA~Dで一区切り。Dはヤバいから精密検査してくれ、となる。
既に治療している場合はEとなり、検査ではなく治療が必要ならFとなる。
判定が出来ない場合はGだ。
EとGは若干毛色が違うため、実質5段階(A,B,C,D,F)の評価となる。
DやFが出たら赤信号。Cは黄色信号だ。
身体計測
身長が縮んだような。公称168cm、ある時期は170cmと言っていたのだけど、どうやら偽りだったようだ。
身長の割には体重が若干重く、標準体重や腹囲から考えても順調に脂肪がお育ちになっていると見て取れる。
体重÷身長の二乗で割り出されるBMIは一応標準範囲内だが、痩せなければ。
体重は成人してからの最小値が48kg、最大値が70kgである。振れ幅には自信がある。
さすがに50kgを切ると体調がアンバランスになるし、そこまで厳格に絞るつもりもさらさら無いので、60kg前後を目指していきたい。
まさかのいきなりC判定。ちなみにC12は「日常生活に注意しながら、12ヶ月後にまた再検査しに来い」の意である。
血圧
上130 mmHg未満、下85mmHg未満が正常とされる。
こちらはA判定。そこまで味付けの濃い生活をしている自覚も無かったので、良かった。
自覚がなく正常なつもりなのに異常、が一番困る。
ただし、意図的に減塩しようとか減塩のものを選ぼうとかそういう買い物はしていない。
ゆくゆく老いてきたらそういう気づかいも必要そうだなと思うなどした。
ちなみに上が100mmHg未満だと、いわゆる低血圧と呼ばれる。もしも低血圧であったとしても健診としては問題は無いとされる。
視力
ずっとパソコンにかじりついていた者の末路である。
いや、ずっとパソコンにかじりついていた割には良いのか?
実はコンタクトレンズもメガネも好きではなく、ずっと裸眼で過ごしている。裸眼最高。
そういった矯正器具を付けると更に視力低下が加速しそうな気がしてしまって、中々手が伸びていない。
かといって手術もちょっと大掛かり過ぎて、こちらも手が伸びていない。
なんと2個目のC判定を頂いてしまった。こちらも12ヶ月後にまた呼び出しとなったわけである。ブルーベリーを食べまくるしかない。
聴力
4000Hz=4kHzなんて聴こえるに決まっておろう。全然高音のうちに入らない。こちらは20kHz以上の音域のイコライジングをやってるんだ。
加齢とともに徐々に高音は聞き取りづらくなる。音は丸みを帯び、キンキンした音は曇っていくという。
モスキート音、いわゆる蚊の羽音も聞こえづらくなる。
僕はまだまだ街中の猫避けやネズミ避けの音も聴こえる。
これでもちょっと可聴域は狭まっており、昔はWi-Fiの接続し直す音や電子機器の発する高音も聴こえていた。場所によっては落ち着かずうるさく感じた事もある。聴覚過敏ってほどでもないけど。
目もそうだけど、耳も大事にしていきたい。どれだけ音響機器に拘ろうと、自分の耳が悪くなってしまえば意味合いは半減してしまう。
血液検査
血液一般
血管内の酸素の運び屋こと赤血球の数は正常。中央値に近く、良い感じなのでは。
ヘモグロビンも適正値。こちらが少ないと貧血となる。
脂質
いわゆるコレステロール値。
HDLが善玉、LDLが悪玉と呼ばれているが、どちらも適正値が良い。善玉だからといって多過ぎてもダメ。バランスが重要だ。
注視したいのはやはり悪玉であるLDL。数値が高ければ動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などのトリガーとなる。
中性脂肪は肝臓等に蓄えられる脂肪で、多過ぎると脂肪肝や内臓脂肪の原因となる。
こちらも心筋梗塞や狭心症のリスクとなる。
善玉、悪玉、そして中性脂肪も正常値だったため、安堵。
こういった体内の状況は本当に検査しないと分からないものだ。
糖代謝
いわゆる血糖値など。
血糖値は食事の影響でブレてしまう。今回の食事制限はこのためである。
こちらは適正値だった。
糖尿病のサインとなる尿糖値も陰性。こちらは血糖値が高くなると本来排出されるべき糖が血液にも混じり出すというものである。
肝機能
一方で、不安のある結果だったのがこちら。
B判定ではあるため、まだまだ正常とも取れる。
AST値*1は正常だったものの、ALT値*2が基準より若干高め。
ASTは30以下基準に対して22で正常値、ALTは30以下基準に対して36と若干のオーバー。
また、γ-GTP*3もやや高め。
こちらは飲酒習慣があると高めに出る。
基準値50に対して、現在66。100を超えたらお酒は制限を、200を超えたら確実に病院へ、というところらしい。
確実にお酒のダメージだと思われる。まだ何とかなる範囲だと思われるため、過度の飲酒は控えたい。
尤も、ここ最近はそんな無理な飲み方もしていないし、する気もない。楽しくお酒と付き合っていきたい。
尿検査
尿蛋白しか計測されていないため何とも言えないが、尿蛋白は陰性。
蛋白は通常検出されないはずだが、腎臓に異常があると蛋白が尿に流出して陽性となる。
内科診察・胸部X線
どちらも異常無し。
X線では肺の異常、心肥大、大動脈の異常などを発見できる。
心電図
心臓は筋肉を伝達する微量の電気信号で動いているのだが、それを記録するのが心電図である。
心臓の異常が発見可能。今回は異常は無かったようだ。ただ、「異常無し」ではなく「正常範囲」なのが引っ掛かる。たまたまこういう書き方なのか、どうなのか。
総合所見
総合的に見て、Cランク――「12ヶ月後にまた来てや」となってしまった。
やはり腹囲と視力で指摘が入ってしまった。ブルーベリーダイエットを始めようと思う。